白米と玄米の栄養の違い|品種ごとの味の違いと、60代からのお米の選び方

新米が店先に並ぶ季節になりました。
「玄米は体によい」と、耳にしたことがある方も多いでしょう。
いっぽうで、品種による味の違いも気になるところです。
この記事では、栄養と品種の両方から、お米の選び方をご紹介します。

この記事のまとめ

  • 玄米と白米の違いは、ぬか層と胚芽を取り除くかどうかです。 
  • 食物繊維は、玄米3.0g、白米0.5g(お米100gあたり)です。
  • 玄米と白米のあいだに「半つき米」「七分つき米」があります。
  • 作付けされている品種は約300、上位20品種で全体の約8割です。
  • ご飯の味わいは「粘り」と「かたさ」の2つで整理できます。

目次

玄米と白米は、何が違うのですか?※1

ぬか層と胚芽を取り除いているかどうかの違いです。
籾から籾殻を取ったものが玄米です。
その玄米からぬか層と胚芽を取り除くと、白米になります。
この作業を「精米」と呼びます。

ぬか層は玄米の5〜6%、胚芽は2〜3%を占めています。
割合は小さいのですが、栄養が集まっている部分です。
胚芽にはたんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルが含まれます。
ぬか層にはミネラルや食物繊維が多く含まれています。

 

栄養は、どれくらい違うのですか?※1

食物繊維では、玄米が白米の6倍という数値です。
お米100gあたりの主な成分は、次のとおりです。

成分(100gあたり) 玄米 白米
エネルギー(kcal) 346 342
食物繊維総量(g) 3.0 0.5
たんぱく質(g) 6.0 5.3
カリウム(mg) 230 89
マグネシウム(mg) 110 23
鉄(mg) 2.1 0.8
ビタミンB₁(mg) 0.41 0.08
ビタミンE(mg) 1.2 0.1

数値は、炊く前のお米100gあたりです。
炊いたご飯は水分が増えるため、数値はこれより小さくなります。
エネルギーは、どれもほとんど変わりません ※1。
「玄米だから低カロリー」というわけではない、ということです。

雑穀米は、栄養が高いのですか?

製品によって中身が違うため、一概には言えません。
雑穀米とは、白米に麦やあわ、きびなどを混ぜたものの総称です。
何をどれだけ配合するかは、商品ごとに異なります。
そのため、成分表に「雑穀米」という一つの数値はありません。

確実なのは、パッケージの栄養成分表示を見ることです。
食物繊維の量は、そこに記載されています。
麦の割合が多いものほど、食物繊維は増える傾向があります。

60代からは、どれを選べばよいですか?

無理なく続けられるものが、いちばんです。
玄米には、次のような点があります。

  • よく噛む必要があり、時間がかかる
  • 消化に負担を感じる方がいる
  • 炊き方に慣れが必要

歯や飲み込む力に不安がある方は、白米や分づき米が向いています。
まずは七分つき米から試して、様子を見る方法もあります。
体調に合わないと感じたら、無理に続けないでください。

なお、ご飯だけで必要な栄養がそろうわけではありません。
お米にはリジンというアミノ酸が不足しがちです ※1。
大豆製品や肉、魚と組み合わせると、これを補えます ※1。
ご飯とおかずをそろえる食べ方には、理由があるのです。

▶ あわせて読みたい:実は栄養の宝庫!きのこの魅力を再発見
https://toyama-jobiyaku.co.jp/shop/information/column-nutritionist18

お米の品種は、どれくらいあるのですか?※2

登録されているのは、約1,000品種です。
そのうち実際に作付けされているのは、約300品種ほどです。
さらに上位20品種で、全体の約8割を占めています。

つまり、店頭で見かける品種はかなり絞られています。
新しい品種の開発には、10年以上かかるとされています。
近年は、暑さに強い品種の開発が各地で進んでいます。

全国でよく作られているのは、どの品種ですか?※3

もっとも多いのはコシヒカリで、全体の約3割です。
令和6年産の作付割合は、次のとおりです。

順位 品種 作付割合 主な産地
1 コシヒカリ 32.6% 新潟、茨城、福島
2 ひとめぼれ 8.4% 宮城、岩手、福島
3 ヒノヒカリ 7.1% 熊本、鹿児島、大分
4 あきたこまち 6.7% 秋田、茨城、岩手
5 ななつぼし 3.4% 北海道
6 はえぬき 2.7% 山形
7 まっしぐら 2.5% 青森
8 ゆめぴりか 1.8% 北海道
9 きぬむすめ 1.8% 島根、岡山、鳥取
10 キヌヒカリ 1.6% 滋賀、兵庫、京都


上位10品種で、全体の68.6%を占めています。
コシヒカリが生まれたのは、昭和31年のことです。
70年ほど前の品種が、いまも1位を保っているわけです。
その食味を受け継いだ後継品種も、次々と生まれています。

品種によって、味はどう違うのですか?※2

「粘り」と「かたさ」の2つで整理すると、わかりやすくなります。
農林水産省のサイトでは、お米マイスターがこの2つの軸を使って、ご飯の食感を4つに分けています。

  • 粘りの軸:もっちり ⇔ あっさり
  • かたさの軸:やわらか ⇔ しっかり

もっちりしてやわらかいご飯は、口に入れた瞬間に味を感じます。
あっさりしたご飯は後味が残りにくく、飽きずに食べられます。
卵かけご飯には、あっさりしたご飯が合うとされています。
 

粘りの違いは、何で決まるのですか?※2

「アミロース」という成分の量が関係しています。
一般的なお米のアミロースは、17〜23%ほどです。
コシヒカリは17%程度とされています。
15%以下のものは「低アミロース米」と呼ばれます。

アミロースが少ないほど、冷めても粘りが強く、つやが出ます。
逆に24%以上の「高アミロース米」は、粘りが少なくパラパラです。
チャーハンやピラフには、こちらが向いています。

60代・70代には、どんなご飯が向いていますか?※2

やわらかく、少量でも満足感のあるご飯が向いているとされます。
農林水産省のサイトでは、世代ごとに好まれる食感が紹介されています。
シニア世代には、焼き魚などの和食のおかずが好まれる傾向があります。
こうした献立には、やわらかく味わいのあるご飯が合うとされています。
一口目から満足感を得られることが、選ぶうえでの目安になります。
食べる量が減ってきたと感じる方には、参考になる考え方です。

富山は「種もみ」の産地でもあります※5

富山県は、種もみの県外出荷量が日本一です。
種もみとは、翌年の苗を育てるためのお米のことです。
日本各地の米づくりを、富山が支えてきたことになります。
立山連峰の雪どけ水と、富山平野の土がその背景にあります。

よくあるご質問

Q1.玄米に変えると、やせますか?
エネルギーは玄米346kcal、白米342kcalで、大きな差はありません ※1。お米100gあたりの数値です。玄米に変えることが体重の変化に直結するわけではありません。

Q2.腎臓の病気で食事制限があります。玄米は食べてよいですか?
玄米のカリウムは230mg、白米は89mgです※1。カリウム制限を受けている方は、必ず主治医や管理栄養士の指示に従ってください。

Q3.やわらかいご飯が好きです。品種を変えるべきですか?
まずは炊飯器の炊き分け機能や、水加減を試してみてください※2。それでも好みに合わない場合に、低アミロースの品種を検討する順番がおすすめです。

Q4.冷めてもおいしいお米はありますか?
アミロースが少ない品種ほど、冷めても粘りが保たれるとされています※2。富山の「富富富」も、冷めてもかたくなりにくい品種です※4。

Q5.新米と古米で、栄養は違いますか?
大きな違いはないと考えられています。新米は水分が多く、やわらかく炊き上がるのが特徴です。炊くときの水加減を、少し控えめにしてみてください。

あわせて読みたい


さつまいもの栄養と品種の違い|紅はるか・安納芋・シルクスイート、甘さと食感はどう違う?
https://toyama-jobiyaku.co.jp/shop/information/column-nutritionist32

実は栄養の宝庫!きのこの魅力を再発見
https://toyama-jobiyaku.co.jp/shop/information/column-nutritionist18

そうめんの栄養と、不足しがちな栄養素の補い方
https://toyama-jobiyaku.co.jp/shop/information/column-nutritionist30

富山のかまぼこが特別な理由 昆布巻きと細工文化の秘密
https://toyama-jobiyaku.co.jp/shop/information/column-season70

富山県のさかな「ブリ」の栄養
https://toyama-jobiyaku.co.jp/shop/information/column-nutritionist19

※写真はすべてイメージ


出典

※1 農林水産省「米と栄養」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/03/health01.html

※2 農林水産省「お米の産地銘柄とブレンド米の進化」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/01/type03.html 

※3 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構「令和6年産水稲の品種別作付動向について」 
https://www.komenet.jp/pdf/R06sakutuke.pdf

※4 JA全農とやま「富山米」
https://www.zennoh.or.jp/ty/product/rice/

※5 富山県「富山米新品種『富富富(ふふふ)』本格デビュー!」
https://www.pref.toyama.jp/sections/1015/ecm/back/2019mar/tokushu/index2.html