自分に合った大掃除で
気持ちよく新年を迎えよう

年末の定番
わが家の大掃除

今年も残すところあとわずかとなりました。
12月は師走とも呼ばれ、1年で一番忙しい月というイメージがあります。
この「忙しさ」には、クリスマスなどのイベント、年末年始の準備などが考えられますが、大掃除もその一つではないでしょうか。
ある調査によると約7割の人が年末に大掃除をする予定があるようです。

普段の掃除と大掃除の違いについては、「換気扇やレンジフード、窓などいつもはしない箇所をきれいにする」ととらえている人が多いよう。
たまった汚れを一掃するためにはある程度の時間や手間、体力などが必要で、その負担が師走をさらに忙しく感じさせるのかもしれません。


 

国民の義務だった
大掃除  

そもそも大掃除は、正月行事の一つ、すす払いから始まったとされています。
門松を立て、鏡餅を供え、家にたまった1年の汚れをはらい清めるすす払いをしてその年の歳神(としがみ)様を家に迎える準備をしました。

1年の中でも最も重要なハレの日、正月を迎えるけじめが大掃除だったのです。

このように、日本には昔から汚れを避ける文化があり、とにかく清浄を好みました。

これらが背景となって制定されたのが、昭和29(1954)年の「清掃法」。
この法律では、毎年1回の大掃除が義務とされました。
集落ごとに大掃除検査の日が決められ、当日は各市町村の職員が家々を訪問して検査を行い、合格した家には検査済証が貼られました。

大掃除が今も日本の暮らしに浸透しているのは、信仰的な理由だけでなく、こういった時代があったことも関係しているのかもしれません。

清掃法は昭和45(1970)年に全面改正され、「廃棄物処理法」が制定されたことで年に1回の大掃除という義務はなくなりました。

しかし、現在でも労働安全衛生規則により、会社には半年に1回の大掃除が義務化されています。
日本人がきれい好きと言われる所以は、こんな歴史からもよくわかります。


心と身体に
負担のない大掃除を
 

大掃除は単なる掃除ではないと知れば、今年は何としても頑張ろうと思うもの。
しかし、実際は忙しかったり、モチベーションが高まらなかったりで大掃除が進まない、あるいは掃除自体がとても苦手だという人もいるでしょう。

掃除には心を落ちつかせる効果があるといわれており、大掃除も1年を振り返りつつ、新しい年に思いを馳せるにはとてもいい機会です。
しかし、精神的に負担となったり、失敗経験が増えたりするようでは元も子もありません。

それなら、思い切ってハウスクリーニングなどプロの手を借りるのも一つの手。
「餅は餅屋」と割り切って、浮いた時間で家族が好きな料理をつくったり、サウナでリフレッシュしたりと自分なりに1年を締めくくるのもいいでしょう。

好きな音楽をBGMにする、大掃除後の一杯や外食をご褒美として用意するといった笑顔を保つひと工夫も忘れずに、自分に合った大掃除をして、心身ともに健やかな年末年始をすごしましょう。

皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。