防災を日常に ローリングストックから始めよう
防災の日をきっかけに
備えを考える
9月に入ると、普段にも増して防災関連の話題が増えます。
1日が防災の日と制定されており、災害についての認識を深めるためのさまざまな行事や訓練などが行われることも理由の一つです。
日本は世界有数の災害大国。
今年1月に起きた能登半島地震や東日本大震災のような地震や津波だけでなく、台風やがけ崩れ、落雷、大雪などによる被害は毎年のように各地で起こっており、万が一への備えはかかせません。
防災を生活の一部に
「フェーズフリー」
防災の重要性は理解していても、いざとなると後回しになってしまいがち。
ある調査では、およそ4割の家庭が「災害に対する備えをしていない」という結果もあるほどで、「備える」ことは、思った以上に簡単ではありません。
そこで注目したいのが、「フェーズフリー」という考え方です。
フェーズフリーとは、フェーズ=「日常時と非常時の区切り」をフリー=「なくす」にする。つまり、いつも(日常時)ともしも(非常時)という分け方をやめ、日常で使うものを災害時にも活用しようという考え方です。
その代表的なものが、「ローリングストック(循環備蓄)」。
いわゆる防災食や防災用品ではなく、普段の食べ物や飲み物、日用品を少し多めに買って古いものから順番に消費し、消費した分だけ買い足すことで一定量を備蓄します。
食品をローリングストックする際のポイントは、普段食べているものを選ぶこと。
災害食というとレトルトを連想しますが、カップラーメン、スープ、乾物、缶詰、菓子などは比較的長期間保存できますし、野菜や冷凍食品は災害時にまず食べるものとして役立ちます。
ローリングストックのメリットは、生活の延長で始められるため、比較的負担が少ないこと。
常に新しいものがストックされるため消費期限切れを防ぐことができ、無駄にすることもありません。
そして、災害時にもいつもの食事ができること。
非常時の食事はどうしても炭水化物にかたよりがちですが、例えばトマトや煮魚の缶詰、ナッツなどがあればビタミンやミネラルなどの栄養補給ができます。
また、被災時はストレスや不安から食が進まなくなります。
食べ慣れたものなら口にしやすく、それが精神的な安定につながります。
大量となる水の備蓄は
長期保存水を活用
災害時、特に貴重な水は、1人1日3リットル必要とされています。
国が推奨する1週間分となると、2人世帯の場合42リットル。
備えるにも、使うにもかなりの量です。
そういったときは、ウォーターサーバーや市販のミネラルウォーターを少しずつ買いため、長期保存できる水と半々で備蓄します。
家庭によって続けやすい方法で行うことがローリングストックを無理なく習慣化するコツです。
例えば、北アルプスのナチュラルミネラルウォーターを食品衛生法に定められた加熱殺菌基準以上の処理をした「5年あんしん保存水」は、5年間という長期間保存ができ、災害への備えに適しています。
そして、忘れてはいけないのが、ガスボンベとカセットコンロ。
調理ができれば、備蓄できるものも、被災時に食べられるものも広がります。
ガスボンベの目安は1日1本。
そのほか、ラップ、アルミホイル、袋類、ポリ手袋もあれば安心です。
いつもの暮らしに災害という視点を加えるだけのローリングストックは、非常時の予行演習にもなります。
まずは、一週間ライフラインが止まったことを想定して、備えてみてください。
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