紫外線対策
薬剤師 なお
○太陽光と紫外線
太陽光は私たちに暖かさや明るさをもたらしていますが、太陽光は一つの光ではなく、目に見える可視光線や目に見えない赤外線と紫外線から成り立っています。
紫外線は、体の中でビタミンDをつくってくれる働きがあります。ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助けてくれるビタミンなので、紫外線は、身体にとっていい面もありますが、皮膚にとっては大敵といわれることが多いのです。
紫外線はその波長やその生物的な作用の違い等から、波長の長い方からUV‐A、UV‐B、UV‐Cの3種類に分けられます。UV‐Cは、オゾン層や大気中の酸素により、地表には届かないのですが、UV‐Bの一部とUV‐Aの大半は地表に届きます。オゾン層が減少すると、UV‐Bの地上に届く量が増加するので懸念されています。人体に対する影響の強さは UV‐C > UV‐B > UV‐A の順で、UV‐Aの人体に対する影響は比較的小さいのですが、皮膚の表皮の下の真皮まで届くことから、長時間当たると肌などへの影響の懸念があります。
日焼け後の色素沈着を起こすのは、主にUV‐Bといわれていますが、メラニンを生成する色素細胞の数が増加し、日焼けを繰り返すと、部分的にメラニンが増えシミができるといわれています。一方、UV‐Aは、赤く日焼けをさせる作用は弱いのですが、真皮の深部に到達するため、しわやたるみの原因になるといわれています。
○UVインデックス
紫外線の人体に与える影響は波長によって異なるため、紫外線の人体への影響度合いをUVインデックスという指標を使って、紫外線の強さをわかりやすく表しています。
それでは、我が国のUVインデックスはどれほどかというと、茨城県つくば市の月別、時刻別のUVインデックス最大値の累年(2006~2017年)平均値のグラフは、次のとおりです。
つくば市では、4~9月、正午前後は、紫外線が強くなっており、2月や11月でさえ、中程度の強さの時間帯があることなどから、1年を通して紫外線を防御することが大事です。
一般的に、UVインデックスは緯度が高いと小さく、低いと大きくなります。札幌市はつくば市よりUVインデックスが小さく、那覇市はつくば市よりUVインデックスが大きくなっています。
紫外線の防御方法としては、
① 太陽紫外線の強度の強い時期・時刻の必要以外の外出を避ける。
② つばの広い帽子・日傘などを用いる。
③ 素肌を露出しない。
④ 日焼け止め化粧品を塗布する。(落ちたと思ったら付け足しを)
が推奨されています。
○日焼け止め化粧品

日焼け止め化粧品には、①紫外線吸収剤配合のものと②紫外線散乱剤配合のものがあります。
紫外線吸収剤配合のものは、皮膚に塗布した時に白く見えないという長所がありますが、皮膚がかぶれやすいやすい人は、配合成分を確認したうえで使用した方がいいと考えられます。
紫外線散乱剤配合のものは、光を散乱させることから、肌が白く見えてしまうというデメリットはありますが、無機系の成分が主成分であることから、敏感肌の人や子ども用のものはこのタイプのものが多くなっています。
日焼け止め化粧品には、PAやSPFというアルファベットが表示されています。購入される場合は、これらを確認していただきたいと思います。 これらは紫外線を防止効果の強さを表しており、PAは、UV‐Aを防止する効果を「PA+」から「PA++++」の4段階で表しており、+が多いほど防止効果が強くなっています。
SPFは、主にUV‐Bを防止する効果を2~50の数値で示されており、数値が大きいほど防止効果が強くなっています。(50以上のものは「SPF50+」と表示されています。)
日焼け止め化粧品は、一度塗れば大丈夫というわけでなく、汗をかいたり、タオルでぬぐったりした場合は、しっかり効果を持続させるためにも、塗りなおしをおすすめします。何もしなくても2~3時間に一度は塗りなおしたらよいといわれています。
○おわりに
以上、紫外線の美容に対する影響を中心に記述させていただきました。紫外線は、美容だけでなく、人体に重篤な疾病を引き起こしたり、眼へ影響を与えることもあります。紫外線を浴びすぎないよう日常生活に気を配り、お過ごしいただければと存じます。
【参考資料】
●環境省.紫外線環境保健マニュアル 2020年3月
●日本美容皮膚科学会.美容皮膚科学.南山堂 2009,p,31-39,p,330-333.
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