くすりを知るシリーズ③
薬剤師 NK
未病と予防 - ビタミン剤で健康な毎日を
皆さん、こんにちは。薬剤師のNKです。今日は「未病」という概念と、
その予防におけるビタミン剤の役割についてお話しします。
未病とは何か
未病とは、病気ではないが、完全に健康とも言えない状態を指します。
東洋医学では古くから使われてきた概念で、現代医学でも注目されています。
具体的には、疲れやすい、集中力が低下する、軽い頭痛がある、
といった不定愁訴が当てはまります。
これらの症状は、重大な病気の前兆である可能性もあります。
未病の具体例
- 慢性的な疲労感
- 軽度の不眠
- 食欲不振
- 肩こりや腰痛
- 頭痛や目の疲れ
- 軽度の消化器症状(胃もたれ、便秘など)
- 皮膚トラブル(乾燥、かゆみなど)
これらの症状は、ビタミンやミネラルの不足が原因となっていることがあります。
未病と予防
未病の段階で適切な対策を取ることで、深刻な病気を予防できる可能性があります。
予防の基本は、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠です。
しかし、現代の忙しい生活では、これらを完璧に実践するのは難しいかもしれません。
ここで、ビタミン剤の出番です。
ビタミン剤の役割
ビタミン剤は、食事だけでは不足しがちな栄養素を補う役割があります。
特に、以下のような状況ではビタミン剤の摂取が有効です。
- 偏食がある方
- ストレスの多い生活を送っている方
- 激しい運動をしている方
- 妊娠中や授乳中の方
- 高齢者
ただし、ビタミン剤はあくまでサプリメントであり、食事の代替にはなりません。
バランスの取れた食事を基本としつつ、ビタミン剤で不足を補うという考え方が大切です。
ビタミン不足のサイン
ビタミン不足は、様々な未病の症状として現れます。
例えば
- ビタミンB₁不足:疲れやすさ、集中力低下
- ビタミンC不足:風邪をひきやすい、傷の治りが遅い
- ビタミンD不足:骨や筋肉の痛み
- ビタミンA不足:夜間視力の低下、皮膚の乾燥
これらの症状に心当たりがある方は、
ビタミン剤の摂取を検討してみてはいかがでしょうか。
ビタミン剤選びのポイント
- 総合ビタミン剤か、特定のビタミンに特化したものか
- 水溶性ビタミン(B群、C)か脂溶性ビタミン(A、D、E、Kなど)か
- 摂取量と摂取タイミング
- 副作用や相互作用の有無
これらのポイントを考慮し、自分に合ったビタミン剤を選びましょう。
不安な点があれば、薬剤師や医師に相談することをおすすめします。
注意点
ビタミン剤は安全性が高いですが、過剰摂取には注意が必要です。
特に脂溶性ビタミン(A、D、E、Kなど)は体内に蓄積されやすいため、
摂りすぎに注意しましょう。
また、一部の薬とビタミン剤には相互作用があるので、
処方薬を服用している方は必ず医療従事者に相談してください。
まとめ
未病は、健康と病気の境界線上にある状態です。
この段階で適切な対策を取ることで、深刻な病気を予防できる可能性があります。
ビタミン剤は、そのための有効なツールの一つです。
しかし、ビタミン剤に頼りすぎるのは禁物です。
バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠という基本を忘れずに、
それでも不足する栄養素をビタミン剤で補うという考え方が大切です。
皆さんも、自分の体調に耳を傾け、未病のサインを見逃さないようにしましょう。
そして、必要に応じてビタミン剤を活用し、健康的な毎日を過ごしていきましょう。
健康は何よりも大切な財産です。
未病の段階から自分の体をケアすることで、より充実した人生を送ることができるはずです。
(参考)
未病について詳しく知る~未病と健康~
https://www.yomeishu.co.jp/mibyou/detail/?utm
Medical Note「ビタミン欠乏症」
https://medicalnote.jp/diseases/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3%E6%AC%A0%E4%B9%8F%E7%97%87?utm
健達ネット
https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/13769?utm
読売新聞「「長寿国日本」と「未病」」
https://yab.yomiuri.co.jp/project/mirai/mibyo/index.html