大腸がん検診
薬剤師 ジル
本年度の定期健診において「便潜血検査」で一部陽性になり、
大腸がん検査について考察する機会がありました。
汚い話で恐縮な部分もありますが、せっかくなのでこの場を借りて
ご紹介させていただきます。
大腸がんは生存率が高い!?
長浜バイオ大学の永田教授によると大腸がんの新規患者数は、
2019年の統計で15万5,625人(男:8万7,872人、女:6万7,753人)で、
すべてのがんのトップ。
しかし、5年後の生存率は全体で71.4%と他のがんと比べて
比較的高くなっているそうです。
大腸がん検診の醍醐味!?
対策型の大腸がん検診は「便潜血検査」と「大腸内視鏡検査」の2段階になっています。
まず、便潜血検査を行って、陽性者には大腸内視鏡検査がすすめられるのです。
便潜血検査は簡単で、しかも検査料が安いので、多くの会社が現場検診に加えています。
採便は提出日の前日と当日がいいのですが、便秘で出にくいという人もいます。
そういう人は出たときに取って、なんと提出日まで冷蔵庫で保存する必要があるのです。
そんな勇気が試されるのは、大腸がん検診ならではの醍醐味です。
検診後の複雑な思い
日本医師会の「知っておきたいがん検診」というホームページによれば、
大腸がん検査の受診者1万人当たり、要精密検査は592人で、
実際に大腸がんが見つかるのは17人ということです。
かなりの人数が内視鏡を入れられた挙句、大腸がんは無かった(擬陽性)と
告げられる人が多いのです。
その瞬間はほっと一安心できたかもしれません。
しかし冷静になってくると逆に今までの不安な日々と、
内視鏡を突っ込まれた心の傷(?)をどうしてくれるのだ、
という感情も湧いてくるかもしれないのです。
最後に
私は過去何回か、大腸内視鏡検査を行いましたが心の傷(?)はありません。
検査前には、腸を空っぽにしますのでデトックス効果でしょうか
体調がすこぶる良くなります。
また、検査中、モニターにてリアルタイムで画像を見ることができるのも
この検査の醍醐味でもあります。
(家内にはマニアックすぎてついていないと言われています!)
出典
永田 宏.健康診断の読み方 気にした方がいい数値、気にしなくてもいい項目.講談社+α新書.2024-03-18,p.169-171.
日本医師会「知っておきたいがん検診」https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/