かぜ・インフルエンザ予防に役立つ栄養素と食材
気温が下がり、空気が乾燥する冬は、かぜやインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなる季節です。寒さによる体の冷えも、感染症への抵抗力が低下する一因となります。冬でも毎日を健やかに過ごすために、食事で体調を整えていきましょう。
今回は、かぜやインフルエンザに負けない体をつくるうえで意識したい栄養素と、食事に摂り入れたい食材をご紹介します。

目次
かぜ・インフルエンザ対策に摂り入れたい栄養素
かぜやインフルエンザなどの感染症を予防するためには、栄養バランスのよい食事を心がけることが基本です。そのうえで、体調を整える栄養素を意識して摂り入れることで、体を守る力が高まるでしょう。ここでは、感染症予防に役立つ栄養素とそのはたらきについて解説します。
ビタミンA|皮膚や粘膜の健康を保つ
ビタミンAは、皮膚や鼻、喉などの粘膜を健康に保つ栄養素です。細菌やウイルスといった病原体は鼻や口などの粘膜から侵入することが多いため、粘膜の機能を保つことは感染症予防につながります。またビタミンAは、感染症から体を守る免疫細胞のはたらきや増殖にも関わっています。
ビタミンE|血行を促して免疫機能を高める
ビタミンEには、血管を広げることで血行を促すはたらきがあります。血液により体の熱は全身に運ばれるため、血行が促進されると体温が保たれやすくなり、体の冷えの予防につながります。体温が下がると免疫機能も低下すると考えられており、健康を保つには体を冷やさないように意識することが大切です。
ビタミンC|白血球の働きを助ける
ビタミンCは、白血球が正常にはたらくために欠かせない栄養素です。白血球は、体内に侵入した病原体を取り込んで分解したり、病原体を攻撃する「抗体」を作り出したりする役割を担っています。白血球にはビタミンCが多く含まれており、感染症にかかるとその濃度が低下するため、ビタミンCは感染症予防に必要な栄養素であるといえます。
たんぱく質|免疫細胞や抗体の材料となる
たんぱく質は皮膚や髪、筋肉、内臓など、体を構成する組織のもとになる栄養素です。免疫細胞や抗体の材料にもなるため、たんぱく質が不足すると免疫機能が低下することがわかっています。
歳を重ねると筋肉量が落ちるのは、食事量の減少によってたんぱく質の摂取量が少なくなることが関係しています。医師による摂取制限を受けていない方は、筋肉量だけでなく免疫機能を保つためにも、たんぱく質を摂るように心がけましょう。
亜鉛|免疫機能をサポートする
亜鉛は、免疫のはたらきに関わる栄養素の一つです。研究により、亜鉛が不足すると免疫細胞を作り出す胸腺が萎縮したり、免疫細胞がうまくはたらかなくなったりして、免疫機能が低下することが報告されています。これらの研究から、感染症予防に関わる亜鉛のはたらきが注目されています。
食物繊維|腸から免疫機能を支える
腸は口から取り込んだ食べ物が通過することから、病原菌などの異物の侵入を受けやすい場所です。そのため、体内に存在する免疫細胞や抗体の約60%が腸管に集まっていると考えられており、腸は私たちの体を守るうえで重要な役割を果たしています。
さらに、腸内細菌は腸の免疫機能に関わっており、腸内環境を整えることでその機能も正常にはたらくと期待されています。腸内環境を整えるために摂取したい成分の一つが、食物繊維です。
食物繊維は腸内細菌のエサとなり、善玉菌の増殖を助ける作用があります。食物繊維を摂り入れて健やかな腸内環境をつくり、免疫機能の維持につなげましょう。
かぜ・インフルエンザ予防に役立つ食材
冬に旬を迎える食材のなかから、かぜやインフルエンザ対策に役立つものをご紹介します。
| 栄養素 | 食材例 |
|---|---|
| ビタミンA | かぼちゃ、ほうれん草、春菊 |
| ビタミンE | かぼちゃ、サケ |
| ビタミンC | いちご、みかん、きんかん |
| たんぱく質 | タラ、ブリ、サケ |
| 亜鉛 | 牡蠣 |
| 食物繊維 | ごぼう、ブロッコリー |
ビタミンAを取り入れたいときは、体内でビタミンAに変わる「β-カロテン」を多く含む食材を選ぶのがおすすめです。β-カロテンは緑黄色野菜に豊富に含まれており、冬の食材では、かぼちゃやほうれん草、春菊などがあります。
また、体が冷えると免疫機能が低下しやすくなるため、体を温める作用が期待できるしょうがや唐辛子、ねぎなどの食材を摂り入れてもよいでしょう。
毎日の食事でかぜ・インフルエンザに備えよう
栄養素のなかには、かぜやインフルエンザから体を守る力に関わるものがあります。ただし、特定の栄養素や食材だけに頼るのではなく、バランスよく摂り入れることが健やかな体づくりにつながります。冬のおいしい食材で滋養をつけ、感染症が気になる季節を元気に乗り切りましょう。
参照元
●曽根保子ほか. 免疫応答におけるビタミンCの生理学的役割. ビタミン. 2013, 87巻9号, p.527-529
●厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~「たんぱく質」
●西田圭吾. ここまで分かった亜鉛の免疫システムにおける役割. 日本衛生学雑誌. 2013年, 68 巻3号, p.145-152
●公益財団法人 腸内細菌学会 用語集「腸管免疫」



