「おいしい」だけじゃない!チョコレートに含まれる栄養とは
チョコレートは、多くの人に親しまれているおいしいお菓子です。チョコレートの濃厚な甘みや口どけを味わうと、気持ちが和らぐように感じる人も多いのではないでしょうか?
一方で、チョコレートは栄養の面からも注目されています。今回は、チョコレートに含まれる体にうれしい栄養成分についてご紹介します。

目次
チョコレートの原料
チョコレートの主な原料は、植物の一種である「カカオ」です。カカオの種子であるカカオ豆は、発酵と焙煎の工程を経て、すりつぶすとカカオマスになります。カカオマスに砂糖や粉乳などを混ぜ合わせ、型に流して冷やし固めることで、チョコレートが作られるのです。
ミルクチョコレートやダークチョコレートなどの種類がありますが、原料の配合により、甘みや苦味などの味わいに違いが生まれます。
チョコレートの栄養成分
チョコレートは甘いお菓子という印象が強いかもしれませんが、実はポリフェノールや食物繊維など、体にうれしい栄養成分も含まれています。ここでは、チョコレートに含まれる、体へのはたらきが期待されている栄養成分について解説します。
カカオポリフェノール|血中コレステロールを改善させる
チョコレートには、原料であるカカオに由来する「カカオポリフェノール」が含まれています。近年の研究から、カカオポリフェノールには、健康維持に関わるさまざまな作用が期待できることがわかってきました。
その一つが、血中コレステロールを改善させる作用です。ある研究で、LDL(悪玉)コレステロールの値が高めの人を対象に、カカオポリフェノールを含むココアを一定期間摂取してもらいました。その結果、LDLコレステロール値の低下や、HDL(善玉)コレステロール値の上昇が確認され、さらに酸化LDLの低下も見られました。
LDLコレステロールが増加したり、HDLコレステロールが減少したりすると、酸化LDLが増えやすくなります。酸化LDLは動脈硬化を促進するはたらきがあり、動脈硬化が進むと、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす可能性が高まります。
カカオポリフェノールには、血中コレステロールのバランスを整えるはたらきがあると考えられており、研究が進められているところです。そのほか、血圧を低下させる作用や、血糖値を下げるインスリンのはたらきを改善する作用なども期待されています。
カカオプロテイン|お腹の調子を整える
プロテインとはたんぱく質のことで、皮膚や筋肉など、体をつくる材料となる栄養素として知られています。しかし、カカオに由来するたんぱく質「カカオプロテイン」は、通常のたんぱく質とは異なり、腸へはたらきかけることがわかっています。
カカオ由来の成分を多く含むチョコレートを、便秘がちな女性に一定期間食べてもらう研究が行われました。その結果、排便回数や排便量が増えるなど、便秘が改善される傾向が確認されました。
カカオプロテインには、胃や小腸で消化・吸収されず、大腸まで届く性質があります。大腸に到達したカカオプロテインが、便の量を増やしたり、腸内細菌のエサとなって腸内環境を整えたりすることで、便秘が改善されたと考えられています。
別の研究では、カカオ由来の成分を多く含むチョコレートを摂取したところ、酪酸を作り出す腸内細菌が増えたという結果も報告されました。酪酸には腸の動きを活発にする作用があり、カカオプロテインは便通の改善に役立つことが期待されています。
リグニン|血圧や総コレステロールを低下させる
チョコレートには、カカオに由来する食物繊維も含まれています。カカオマスに含まれる食物繊維のうち、半分以上を占めているのが「リグニン」と呼ばれる成分です。
これまでの研究では、リグニンに血圧や血清総コレステロールを下げるはたらきがあることが報告されています。さらに、リグニンは食物繊維であるため、便通の改善にも役立つと考えられています。
チョコレートの適量

カカオ由来の成分を意識して摂りたい場合は、高カカオチョコレートがおすすめです。高カカオチョコレートは、一般的にカカオ含有率が70%以上のチョコレートを指し、包装に「カカオ70%」などと表示されています。
さまざまな研究から、高カカオチョコレートを毎日5〜10g(チョコレート1〜2片程度)食べることで、体への作用が期待できると考えられています。
高カカオチョコレートはカカオ由来の成分を多く含む分、ミルクチョコレートなどに比べて糖質は控えめです。ただし、食べすぎるとエネルギーや脂質を過剰摂取するおそれがあるため、適量を守って食べるようにしましょう。
栄養成分を知り、健康的にチョコレートを楽しもう
お菓子として親しまれているチョコレートには、カカオポリフェノールやカカオプロテイン、リグニンなどの体にうれしい栄養成分が含まれています。おいしさだけでなく、栄養成分の面から考えることも、間食を選ぶ際のポイントです。高カカオチョコレートも選択肢の一つに加え、間食を健康的に楽しんでみてください。
参照元
●夏目みどり. カカオポリフェノールの包括的研究 カカオは神様の食べ物?. 化学と生物. 2018, Vol.56, No.7,p.490-495
●株式会社明治、帝京大学「チョコレート成分の最新効果 新発見!カカオプロテインで便通改善」
●株式会社明治、帝京大学「高カカオチョコレートの摂取が便秘傾向の女性の便通を改善し、腸内フローラにおいて酪酸産生菌を増加させる」
●日本チョコレート・ココア協会「チョコレート・ココア健康講座」
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