ナスの栄養とは|秋ナスがおいしい理由と、皮ごと食べたい理由
「ナスは栄養がない」と、思っていませんか?
「ナスって、ほとんど水分でしょう」 「色がきれいなだけで、栄養は期待できない」
そんなふうに思われがちな野菜です。たしかに、ナスの約9割は水分でできています。
けれど、あの紫色の皮には、見過ごせない成分が隠れています。皮ごと食べたほうがよい理由も、そこにあります。
さらに、季節によって味が変わることをご存じでしょうか。「秋ナス」と呼ばれるナスが、特別においしいといわれるのには、ちゃんと理由があります。
「秋なすは嫁に食わすな」という、昔からのことわざもあります。その意味も、実はひとつではありません。
この記事では、ナスの栄養と、おいしく食べるコツをわかりやすくご紹介します。今日の一品に、ナスを選びたくなるかもしれません。

この記事のまとめ
- ナスの約93%は水分です。低カロリーで、体にうれしい成分も含みます。
- 紫色の皮には「ナスニン」というポリフェノールが含まれます。
- 秋ナスがおいしいのは、昼夜の寒暖差で身がしまるためです。
- 栄養は皮に多いので、皮ごと食べるのがおすすめです。
目次
ナスには、どんな栄養がありますか?
体にうれしい成分として注目したいのが、皮の色をつくる「ナスニン」と、ミネラルの「カリウム」です。その他は水分が約93%を占め、エネルギーは100gあたり約18kcalと野菜のなかでは低いほうです。水分の多さから味にくせがなく加熱するととろける食感になります。夏から秋にかけて、食卓で活躍する野菜です。
※数値は「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によります。
ナスの皮の紫色、あれは何ですか?
「ナスニン」という成分です。ブルーベリーの色などでも知られる色素成分アントシアニンの仲間でポリフェノールの一種です。
ポリフェノールには、抗酸化作用があるとされています。抗酸化作用とは、体の酸化に関わる活性酸素のはたらきを抑えるとされる性質のことです。
わたしたちは呼吸で酸素を取り込みます。その一部は活性酸素に変わります。活性酸素は体に必要なものですが、増えすぎるとよくないと考えられています。
こうしたポリフェノールは、色の濃い野菜や果物に多く含まれます。ナスの紫色は、その代表のひとつです。
ナスニンは、どこに多いのですか?
皮です。だからこそ、皮ごと食べるのがおすすめです。
皮をむいてしまうと、ナスニンの多くを捨てることになります。焼きナスや煮物など、皮ごと調理できる料理が向いています。
皮の紫は、加熱の仕方で美しく残せるため、彩もよくなります。
ナスに多い「カリウム」のはたらきは?
カリウムには、体内のナトリウムとのバランスを保ち、余分なナトリウム(塩分)の排出を助けるはたらきがあるとされています。塩分を多くとりがちな方は、意識したい成分です。
ナスのカリウムは、100gあたり約220mgです。
味付けの濃い料理が続くときは、こうした野菜を組み合わせるとよいでしょう。ナスは和洋中どんな味付けにもなじみます。
秋ナスは、夏のナスと何が違いますか?
品種は同じですが、秋ナスは身がしまり、皮がやわらかく、甘みを感じやすくなります。
理由は、秋の気候にあります。昼と夜の気温の差が大きくなると、ナスはゆっくり実ります。そのぶん、身がぎゅっとしまります。
夏のナスは、水分が多くみずみずしいのが持ち味です。秋のナスは、うまみが濃くなるといわれます。同じ野菜でも、季節で表情が変わります。
「秋ナス」と呼ばれるのは、9月から10月ごろに出回るナスです。焼きナスや煮びたしにすると、季節の味わいを楽しめます。
「秋なすは嫁に食わすな」とは、どういう意味ですか?
昔から伝わることわざです。実は、意味には3つの説があります。
もっともよく知られるのは、意地悪の説です。「秋ナスはおいしいから、嫁に食べさせるのはもったいない」という意味だとされます。
2つめは、逆に思いやりの説です。「ナスは体を冷やすから、嫁の体を気づかって食べさせない」という解釈です。
3つめは、少し変わった説です。「よめ」を「夜目(ねずみ)」と読み、「ねずみに食べさせるな」の意味だとするものです。
古い記録では、1638年の書物にすでに登場します。ただし、体を冷やすなどの説は、後の時代に付け加えられたともいわれます。どれが正しいかは、はっきりしていません。
昔の人が、ナスをそれだけ特別な味と感じていた。そのことは、たしかに伝わってきます。
栄養を活かす食べ方はありますか?
先にお伝えしたとおり、ナスニンは皮に多く含まれます。皮をむかずに調理すると、無駄なくいただけます。
また、ナスは油とよく合います。炒めものや揚げびたしにすると、味わいが増します。ただし、油を吸いやすいので、量は控えめにするとよいでしょう。
手軽な食べ方の例
- 焼きナス…皮ごと焼いて、しょうがや削り節をそえて。
- 煮びたし…だしを含ませて、冷やしてもおいしい。
- 蒸しナス…火を使う時間が短く、暑い日にも向く。
アク抜きは必要ですか?
短時間で十分です。水にさらしすぎないことがポイントです。
切ったナスを長く水にさらすと、水溶性の成分が流れ出てしまいます。アクが気になるときも、さっと水にくぐらせる程度で構いません。
ナスの保存のコツはありますか?
冷やしすぎないことです。ナスは低温が苦手な野菜です。
冷蔵庫の冷気が直接あたると、傷みが早くなることがあります。新聞紙などに包み、野菜室で保存するとよいでしょう。
夏場をのぞけば、風通しのよい涼しい場所でも保存できます。使う前に室温にもどすと、調理しやすくなります。
野菜を、毎日しっかり摂るために
ナスをはじめ、野菜は毎日とりたいものです。とはいえ、いろいろな種類をそろえるのは大変な日もあります。
そんなときは、一品だけでも野菜を足すことを意識してみてください。焼くだけ、蒸すだけでも、立派な副菜になります。
旬のナスは、手に入りやすく、調理も手軽です。夏から秋の食卓に、気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。
よくあるご質問
Q1. ナスは皮をむいたほうがいいですか?
むかずに食べるのがおすすめです。紫色の皮に、ナスニンというポリフェノールが多く含まれるためです。
Q2. 秋ナスが夏のナスよりおいしいといわれるのはなぜですか?
昼夜の寒暖差で、身がしまるためです。皮がやわらかく、甘みを感じやすくなるといわれます。
Q3. 「秋なすは嫁に食わすな」はどんな意味ですか?
3つの説があります。「おいしいから惜しい」という説、「体を冷やすから気づかう」という説、「よめ=ねずみ」とする説です。
Q4. ナスのアク抜きは必要ですか?
さっと水にくぐらせる程度で十分です。長く水にさらすと、成分が流れ出てしまいます。
Q5. ナスはどう保存すればいいですか?
冷やしすぎないことが大切です。新聞紙などに包み、野菜室で保存するとよいでしょう。
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※写真はすべてイメージ
参照元
食品成分データベース トップ
https://fooddb.mext.go.jp/
文部科学省「日本食品標準成分表」総合案内
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm
コトバンク(精選版 日本国語大辞典)「秋茄子嫁に食わすな」
https://kotobank.jp/word/%E7%A7%8B%E8%8C%84%E5%AD%90%E5%AB%81%E3%81%AB%E9%A3%9F%E3%82%8F%E3%81%99%E3%81%AA-2001049
ウィクショナリー「秋茄子は嫁に食わすな」https://ja.wiktionary.org/wiki/%E7%A7%8B%E8%8C%84%E5%AD%90%E3%81%AF%E5%AB%81%E3%81%AB%E9%A3%9F%E3%82%8F%E3%81%99%E3%81%AA
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