関節の健康を支える
「グルコサミン」の基礎知識

歳を重ねるにつれて「関節が動かしにくくなった」と感じる方は少なくありません。
このような関節の不調を和らげ、健康維持に役立つ成分として注目されているのが「グルコサミン」です。

今回は、関節におけるグルコサミンの役割や、グルコサミンを効率的に摂取する方法について解説します。
アクティブに動ける体を維持するために、ぜひ参考にしてください。

グルコサミンとは

骨の端にある関節部分には「軟骨」という組織が存在しています。
軟骨は、骨同士がぶつかり合う衝撃を和らげたり、関節のスムーズな動きをサポートしたりする役割を担っています。
この軟骨を構成する成分のひとつが、グルコサミンです。

グルコサミンは体内で作られていますが、加齢とともに生成量は減少します。
歳を重ねると関節を動かしにくくなるのは、グルコサミンの減少により軟骨が衰えて、関節の柔軟性が低下するためです。
さらに軟骨がすり減ると、骨同士が直接ぶつかり合い、体を動かすたびに関節に痛みが生じるようになるのです。

このように、加齢による関節の不調は軟骨の衰えが大きな要因とされています。
そのため、軟骨の構成成分であるグルコサミンを補うことで、関節の動きや不快感が改善される可能性があると考えられています。 

グルコサミンを含む食べ物

グルコサミンは、エビの殻やカニの甲羅に多く含まれている成分です。
また、牛や豚、鶏の軟骨、うなぎ、フカヒレなどにも含まれており、これらの食べ物を通じてグルコサミンを摂取できます。

しかし、グルコサミンを一度摂取したからといって、関節の不調が改善されるわけではありません。
グルコサミンは継続的な摂取が必要ですが、毎日の食事に取り入れるのは簡単ではないでしょう。

そのため、グルコサミンを効率よく補うなら、サプリメントの利用がおすすめです。
自分の生活スタイルに合う形でグルコサミンを取り入れ、健康維持に役立ててください。

 

グルコサミンとコンドロイチンの違い

グルコサミンとともに「コンドロイチン」という成分名を聞いたことがある方も多いでしょう。
グルコサミンとコンドロイチンは異なる特性をもっていますが、どちらも関節の健康に関わる成分です。

グルコサミンはアミノ糖の一種であり、コンドロイチンはムコ多糖に分類される物質ですが、このふたつには軟骨を構成する成分という共通点があります。
コンドロイチンは水分を保持する性質があり、粘り気をもつため、関節の保護に役立っています。

コンドロイチンも加齢とともに体内での合成量が減少することから、コンドロイチンの摂取は関節への効果が期待できると考えられています。


 

グルコサミンを摂取する際の注意点

グルコサミンはもともと体内で作られているため、成分自体の安全性は高いと考えられています。
しかし、ワーファリンなどの抗凝固薬を服用している方は、グルコサミンの摂取を避けてください。

抗凝固薬とは、血液を固まりにくくすることで血栓の生成を防ぐ薬です。
グルコサミンと抗凝固薬を併用すると、薬の作用が強まり、出血のリスクが高まるおそれがあります。

また、市販されているグルコサミンサプリメントの多くは、エビやカニなどの甲殻類の殻から抽出された成分を使用しています。
そのため、甲殻類アレルギーの方が摂取するとアレルギー反応が現れることがあり、注意が必要です。

甲殻類アレルギーの方はサプリメントの原材料を必ず確認し、エビやカニ由来のグルコサミンを使用している商品は摂取を避けましょう。 


 

グルコサミンでアクティブに動ける体を維持しよう

関節が動かしにくい、関節が痛むといった悩みは、加齢による軟骨の衰えが原因かもしれません。
関節の不調により体を動かす機会が減ると、筋力の低下や血行不良などの問題を引き起こす可能性もあります。

グルコサミンは軟骨を構成する成分の一つです。
食事やサプリメントを通じたグルコサミンの摂取により、関節のスムーズな動きがサポートされ、関節の違和感が和らぐことが期待されています。
グルコサミンを上手に活用しながら、いつまでも元気に動ける体を維持しましょう。