残暑の疲れを吹き飛ばす疲労回復食材

暦の上では夏が終わっても、気温が高い日が続く残暑の季節。
毎日の暑さで疲れが十分に取れず、疲労が蓄積している方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、疲労回復に効果的なおすすめの食材を紹介します。

仕事で身体が疲れたら

書類作成に頭を使ったり、営業回りで体を動かしたりして疲れた身体は、エネルギー切れを起こしているかもしれません。
まずは、エネルギーが不足したときに摂りたい栄養素と、おすすめの食材を紹介します。

《糖質とビタミンB₁がポイント》

エネルギー不足からの回復には、糖質とビタミンB1を摂りましょう。

体を動かすエネルギー源になる栄養素には、糖質、脂質、たんぱく質があります。
なかでも糖質は、私たちが摂取しているエネルギーのうち約60%を占める重要な栄養素です。
糖質は脳のエネルギー源にもなるため、頭と身体の疲労回復に欠かせない栄養素といえます。

糖質や脂質、たんぱく質からエネルギーを作り出すには、ビタミンB群のサポートが必要です。
特に、糖質を分解してエネルギーを作る際はビタミンB₁が利用されます。
なお、ビタミンB₁はアリシンという成分と共に摂取すると吸収率が高まります。

疲労回復の効率を高めるなら、アリシンも組み合わせて摂取しましょう。

《おすすめの食材》

エネルギー源となる糖質はご飯やいも類に、ビタミンB₁は豚肉や大豆に多く含まれています。
ビタミンB₁の吸収率を高めるアリシンは、玉ねぎ、ニラ、にんにくに豊富です。

したがって、ご飯のおかずに豚肉とニラの炒め物、または玉ねぎ入りの豚汁などを食べると、効率よくエネルギーを補えるでしょう。 また、ビタミンB₁は玄米にも多く含まれています。
玄米ご飯を毎日の主食にすれば、糖質とビタミンB₁を自然に補えます。

白米の一部を玄米に置き換えるのもおすすめです。
糖質が多い食材といえばパンや麺類も当てはまりますが、これらを食べると脂質や塩分の摂取量も多くなります。
肥満や血中脂質が気になる方、高血圧の方は食べすぎないように注意しましょう。

ビタミンB₁が豊富な豚肉も、脂身を摂りすぎるとコレステロールや中性脂肪が増加します。
そのため、脂身が少ないヒレ肉などを選ぶとよいでしょう。

加齢による体力の衰えを感じたら

体力が落ちて疲れやすくなったと感じることはありませんか?
それは、加齢と暑さで運動する機会が減ったことによる筋肉量の低下が原因の可能性があります。
続いては、体力の衰えから疲れやすくなったときに摂りたい栄養素と、おすすめの食材を紹介します。

《たんぱく質とカルシウムを意識する》

疲労感の原因が体力の衰えなら、たんぱく質とカルシウムを摂りましょう。

たんぱく質は筋肉のもとになる栄養素なので、筋肉量の維持に欠かせません。
さらに、ビタミンB₆を一緒に摂取すると、たんぱく質の分解から筋肉への利用がスムーズになります。

また、体を元気に動かすには丈夫な骨が必要ですが、骨も加齢に伴って弱く、もろくなってしまいます。
骨の健康を保つには、骨の構成成分であるカルシウムを十分に摂取しましょう。
その際、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDを一緒に摂取するのがおすすめです。

《おすすめの食材》

たんぱく質は肉、魚、卵、大豆製品、乳製品に、ビタミンB₆は魚やレバーに豊富な栄養素です。
ビタミンB₆は調理により失われやすいとされています。
そのため、マグロやカツオ、サーモンなどを刺身で食べると、たんぱく質とビタミンB6を効率よく摂取できるでしょう。

肉は良質なたんぱく質源になる食材ですが、豚肉や牛肉の脂を摂りすぎると血中コレステロールや中性脂肪が高まります。
健康的にたんぱく質を摂取するなら、脂質が少ない鶏むね肉や鶏ささみ肉を利用しましょう。

カルシウムは乳製品、納豆、豆腐、小松菜に、ビタミンDは魚やきのこに多く含まれています。
カルシウムを無駄なく摂取するなら、鮭のクリーム煮や小松菜ときのこの炒め物がおすすめです。

食事を工夫して残暑の疲れから回復しよう

エネルギー不足が原因の疲れには、糖質とビタミンB1を含む食材が効果的です。
加齢による体力の衰えから疲れやすくなったと感じたなら、たんぱく質とカルシウムを含む食材を摂り、丈夫な体を作りましょう。
疲労を感じたときは、このように体調に合った食材を取り入れて、残暑を元気に乗り切る体力を養ってください。