夏を乗り切るネバネバ食材、粘りの源と驚異のパワーに迫る
じめじめ、むしむし……。
高温多湿で過ごしにくい日本の夏は、私たちのやる気と食欲の両方を奪ってしまいます。
当たり前ですが、私たちは食べなければ生きてはいけず、
仕事にも遊びにも出かけることはできません。
イベント盛りだくさんの夏を楽しく過ごすためのカギとなるのは、
納豆、おくら、もずくなどの“ネバネバ食材”。
今回は、減退しがちな食欲を奮い立たせてくれるだけでなく、
しっかりと栄養も補ってくれる美味しいネバネバ食材3つと、
それらが持つ驚異のパワーについてご紹介します。
ネバネバ食材のリーダー!
種類が豊富になってきた納豆
日本伝統の発酵食品で、ネバネバと聞いてまず思いつくのは
やはり“納豆”でしょう。
混ぜれば混ぜるほどどんどんと増していく、
凄まじい粘りの源はポリグルタミン酸という成分によるものです。
納豆を摂取することで期待できるのは、血管の健康維持。
酵素であるナットウキナーゼは、血栓を溶かすはたらきがあり、
動脈硬化や心筋梗塞などのリスクを低減するとされています。
また、豆ということもありやはり豊富なのが食物繊維、そして善玉菌。
これらは腸の働きを活発にすることで、そのほかの栄養の吸収と
便秘の改善をサポートしてくれます。
さらに納豆などの発酵食品に含まれるビタミンK₂は、
カルシウムの骨への沈着を促してくれるため、
骨粗しょう症が心配される高齢者や成長著しい子どもにとって、
重要な役割を果たすと言えます。
独特な粘りと味、そして風味のため、食べにくさを感じる人も多い納豆ですが、
最近はさまざまな味・風味のタレが付属していたり、
SNSでさまざまなアレンジメニューが紹介されていたりと、
苦手を克服する手段も豊富になってきました。
今までどうしても手が伸びていなかったという方も、
チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
一緒に食べられる相方がいっぱい!
夏野菜の定番オクラ
夏野菜の定番としても知られる“オクラ”。
切った途端にあふれてくる粘りの源となっている主な成分はペクチンです。
これは水溶性の食物繊維であり、コレステロールの吸収を抑え、
血中コレステロール濃度を低下させる働きが期待されます。
また、そのほかのネバネバ食材同様に便秘の改善が期待できます。
また、小松菜やほうれん草などのようにゆでると減ってしまう葉酸も、
オクラでは減ることがないとされているのも魅力のひとつ。
板ずりしてそのまま食べるのもシャキシャキとしていて美味しいですが、
野菜の青臭さが気になる人は茹でるとかなり食べやすくなるでしょう。
オクラはサラダに添えても美味しいですが、輪切りにして、鰹節、
めんつゆと和えれば、 ずるずるっといくらでも食べられるのでおすすめです。
「夏はご飯が食べにくくて……」という方は、
ご飯にかけて軽く混ぜてから食べるのも良いでしょう。
このほかにもさまざまなアレンジメニューがありますので、
興味のある方はぜひ調べてみてください。
沖縄では揚げても食べられる?
現代人の心強い味方もずく
海藻の一種である“もずく”も、わかめや昆布同様、
海の中のネバネバ食材として知られています。
ちなみにその名前の由来は、「もずく=藻付く」とされており、
細長く細かな糸状の見た目をしています。
粘りの元となっているのはフコイダンと呼ばれる成分で、
前述のわかめや昆布の5倍以上とも言われています。
フコイダンはコレステロール値の低下だけでなく、
がん細胞を死滅させる効果も期待されています。
国立がんセンターによれば、男性の49%が、女性の37%が
がんになると言われる時代です。
もずくを定期的に食べることは、私たちの日々の生活と
未来の長きにわたる健康の礎になると言えそうです。
もずくの定番の食べ方と言うと、酢と醤油を使ったさっぱりとした味付けで、
食欲のない夏でも食べやすいことで知られます。
しかし、もずくの生産量と消費量でともにトップで知られる沖縄では、
細切りにしたニンジンやタマネギ、細かくハサミでカットしたもずくと一緒に、
天ぷらにして食べられることも。
外はサクサク、中はモチモチで、ネバネバのもずくとはまたひと味違った
魅力があります。 調理時のコツはもずくの水気をしっかりとること。
ぜひ一度食べてみてくださいね。
日本に根付いてきた
ネバネバパワー
食文化の豊かな日本には、昔から多くのネバネバ食材が存在しています。
どのネバネバ食材にも共通して言えるのは、のど越しがよく食べやすいことと、
栄養が豊富であること。
食欲が減退する夏はもちろんのこと、 乱れがちな現代人の食生活にとっても、
非常に心強い味方と言えそうです。
ネバネバであるがゆえに食べにくさを感じる方もいますが、
昨今はさまざまな美味しい調理法も紹介されるようになってきました。
ぜひ皆様もネバネバ食材を楽しみながら、健康で楽しい夏を過ごしてくださいね。