冬の足音近付く「ニテㇰランケチュㇷ゚」に知りたいアイヌ民族の暮らしと文化

「ニテㇰランケチュㇷ゚」。
アイヌ語旭川方言では、11月のことをこのように呼びます。意味は「木の枝を落とす月」。
だんだんと晩秋を迎え、冬の足音が聞こえてくる今日この頃。
寒さ厳しい北国で、自然とともに生きてきたアイヌ民族の暮らしや文化に想いを馳せてみませんか? 

自然と共に生きてきた先住民族「アイヌ」民族とは

アイヌ民族は北海道や樺太、千島列島やカムチャッカ半島などを拠点としてきた民族です。
2019年5月施行のアイヌ民族推進法では「先住民族」と明記され、現在はその独特の暮らしと文化の記録と保全に全力が挙げられています。

アイヌの人々は冒頭でご紹介したアイヌ語を話し、森や川などの自然、動植物、さらには人間が作った道具でさえも「カムイ(神)」と位置づけるなど、独特の世界観を有しています。
交易にも熱心で、北海道の自然の恵みである鮭や鰊、昆布などを用いて、ロシアや日本列島とも盛んに取引を行ってきました。
現代でも昆布は北海道の名産品として有名ですよね。
利尻昆布・日高昆布・真昆布などはその代表格ですが、この昆布の呼び方も、元々はアイヌ語の「コンプ」や「コムブ」に由来すると言われています。 
 

アイヌの人々がみてきた人間の世界とカムイの世界

アイヌの人々はさまざまな祭事を行ってきましたが、そのなかでも映画や漫画などを通じて知られているのが「イオマンテ」と呼ばれる祭りです。
これは「熊送り」とも呼ばれ主にヒグマの子を1~2年とても大切に飼育した上で、神に捧げその肉を皆で食すというものです。
アイヌの人々は熊の姿をしたカムイを丁寧にもてなした上で、カムイの世界に帰すことで、人間界が良いところであるということを他のカムイにも知ってもらおうと考えました。
動物たちの肉や皮などは、カムイからの置き土産だと考えており、カムイの再訪とそれによって得られる恵みが長く続くことを祈りました。
ちなみにヒグマのカムイは、キムンカムイ。
日本最大のフクロウであるシマフクロウのカムイはコタンコロカムイ。
舟のカムイはチプカムイといいます。

これらカムイはアイヌの人々に多くの恵みをもたらしてきましたが、悪いカムイを意味するウェンカムイというものも存在します。
昨今、ヒグマの人里への出没や家畜への被害が大きな話題となっています。
この人間の境界を侵したヒグマはウェンカムイになるといい、アイヌの人々も全力を挙げて仕留めたそうですが、その肉は口にしなかったそうです。 
 

単純に見えて奥が深いアイヌの楽器「ムックリ」

アイヌの人々が用いる楽器のなかに、口琴の一種である「ムックリ」と呼ばれるものがあります。
ムックリは竹の薄い板と紐で構成されており、弁と呼ばれる箇所を振動させたときに生じる振動を、口腔で共鳴させることで音を奏でます。
「びよーん」と何かが伸び縮みするような不思議な音色を、雨や風の音、自分たちの感情になぞらえて演奏したそうです。
実際にやってみるとわかるのですが、つくりや音程は単純なものの、口の形や紐を引っ張る強さやタイミングによって、さまざまな表現が可能な楽器です。

現在でもムックリには演奏の名人と製作の名人両方がおり、その奥深い音色を今に伝えています。 
 

アイヌにふれる注目スポット「ウポポイ」と「阿寒湖アイヌコタン」

文字を持たないアイヌの人々の文化は、先祖代々口伝によって伝えられてきました。
どの文化をとっても独特かつ魅力的なその文化は、明治時代に日本列島の人々との同化が進むなかで、徐々に消失していきました。

しかし、北海道ではこのアイヌの文化を守ろうと、さまざまな施設・エリアが整備されています。
代表的かつ2020年に完成した北海道白老郡白老町「ウポポイ(民族共生象徴空間)」は、道内外から多くの人々が訪れています。
施設内ではアイヌの資料の展示やシアター、アイヌの食事を楽しめるレストランなどがあります。
大人も子どもも五感でアイヌを感じ、学ぶことができるとても魅力的なスポットです。

そして、北海道釧路市阿寒町「阿寒湖アイヌコタン」も、注目すべきスポットです。
ここでは、アイヌのアートや民芸品ショップが多数立ち並び、阿寒湖の温泉街を訪れる人々を手招きします。
アイヌシアター「イコロ」では、ユネスコ無形文化遺産に指定されているアイヌ古式舞踊を見学できるほか、ショーの最後に舞台上で一緒に踊ることもできます。 
 

アイヌに学ぶ人と自然

11月を「木の枝を落とす月」と表現するように、アイヌの人々は自然との共生を基盤に発展してきました。
交易による外部文化との交流や、独自の祭事「イオマンテ(熊送り)」、伝統的な楽器ムックリなど、彼らの生活は自然と深く結びついています。
現代においても、アイヌ文化はその価値が見直され、再評価と保全が進んでいます。
晩秋のこの時期に、アイヌの文化や歴史に触れ、自然と共に歩む彼らの知恵に学んでみてはいかがでしょうか。 

調べ物のお供にはやさしい一杯を

寒くなってくると家で過ごす時間が増え、読書やインターネットサーフィンなどで調べ物や勉強をすることも増えてきます。
そんなひとときのお供には、「脂溶源コーヒースリム」を。

BMIが高めの方や食後血糖値が高めの方に嬉しい、機能性表示食品のコーヒーです。
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豆は香りと酸味のバランスがとれたブラジル産コーヒー(アラビカ種20%、ロブスタ種80%)を使用しています。
どうぞ深いコクと味わいとともに、素敵な時間をお楽しみください。 

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