秋到来 今年は「読書の秋」にしませんか
読書の秋が消える? 加速する本離れ
涼やかな風を感じられるようになりました。
これまでにない猛暑や厳しい残暑に見舞われた今年の夏ですが、季節は確実にめぐっているようです。
四季の中でも、秋はスポーツや芸術、美食といった活動や楽しみとともに語られることが多い季節。
なかでも「読書の秋」は、特別な準備や場所を必要としない気軽な秋のすごし方の代表格です。
しかし、文化庁が全国の16歳以上を対象に実施した2023年度「国語に関する世論調査」によれば、1カ月に1冊も本を読まない人は6割を超えており、読書離れが急速に進んでいます。
変わる本の形 「聞く読書」も登場
読書にはたくさんのメリットがあります。
語彙力や文章力が養われる、教養や知識が身に付く、他人への共感や思いやりを持てるなど、どれも人生を豊かにしてくれるものです。
現代は、ほしい知識が簡単に手に入ります。
しかし、インターネット上の情報と本の違いは、短時間で消費するのではなく、ある程度の時間を費やすものであること。
自分と異なる思考に触れたり、想像の彼方へと旅をしたり―そういった経験こそが読書のよいところなのです。
インターネットの普及以外にも、読書離れにはさまざまな理由が考えられます。
例えば、仕事や子育てなどに忙しく時間がとれない、読みたい本が見つからない、書店まで行くのが億劫、さらには、年齢を重ねると視力低下や老眼で文字が読みづらくなる、本を持ち歩くことが負担になるといったこともあるでしょう。
そんな悩みの解決にひと役買っているのが、インターネットを介して提供されるデジタル形式の作品です。
「電子書籍」は、パソコンやスマートフォン、タブレットといった端末で読みたい本を購入するもの。
書店に出向く手間がなく、ジャンルも多彩。
内容は画面に表示されるため、文字サイズや画面の明るさの調整ができ、保存して持ち歩くこともできます。
また、「オーディオブック」は、プロのナレーターが本を読んでくれる“耳で聞く本”。
文字を読むことに苦手意識がある人でも読書が楽しめるサービスです。
家事や運転中に“ながら聞き”できるので、時間を有効活用できる点でも人気を集めています。
自分なりの 楽しみ方を見つけよう
読書を楽しむコツは、好きなジャンルや作家を選ぶこと。
ビジネス書や短編集のような物語性のないものであれば、興味のあるページから読み進めるのもいいでしょう。
たまには場所を変えてみるのもおすすめ。
家の中の違う場所、お気に入りのカフェ、電車の中などいろいろ試して自分に合った読書環境を見つけましょう。
そして、少し慣れたら感想やあらすじを家族や友達に話したり、ノートに書き留めてみてください。
積極的な発信や行動によって記憶力や理解度が上がり、新しい気付きを得ることもできます。
年齢や性別、職業や住んでいる場所を問わず、誰もが親しめ人生を豊かにしてくれる読書。
時には便利な機器やサービスを活用して、末永くその楽しみと喜びを味わいたいもの。
境界線があいまいになり季節が短く感じるこの頃ですが、今年は読書で深まりゆく秋を満喫しませんか。