注意すべき飲み合わせ

薬剤師Y.S

お客様のお問い合わせ内容を確認いたしますと「薬の飲み合わせ」が全体の65%と一番多い状況であり、そのほとんどが、現在病院から処方されている薬との飲み合わせでした。

高齢になると様々な疾患を抱え、それに伴って服用される薬剤の種類も数も増えてまいります。

複数の薬を使用している場合、飲み合わせが悪いと薬が効きすぎてしまったり、反対に薬の効果が十分に得られなかったりすることがあります。また、食品やサプリメントの中にも薬との飲み合わせが悪いものがありますので、医師や薬剤師などの専門家に、現在服用している薬やサプリメントなどを伝えることをおすすめいたします。

そこで今回は、『お薬と一緒に飲食してはいけない組み合わせ』につきまして、簡単にお伝えさせていただきます。

お薬と一緒に飲食してはいけない組み合わせ

ワーファリン(ワルファリン)は、ビタミンK拮抗薬とよばれており、血液を固めるときに必要なビタミンKのはたらきを抑え、血栓(血液の塊)ができないようにするお薬です。

そのため、ビタミンKを含む食品、健康食品を大量に摂ると、ワーファリンの作用と逆に働いてしまい、作用が弱まってしまいます。

ワーファリン(ワルファリン)内服中に食べてはいけないもの

❶納豆・青汁・クロレラは絶対に食べないこと。

緑黄色野菜は「ビタミンK」を含んでいますが、極端に多量に食べなければ問題ありません。

❷免疫抑制剤などのお薬+グレープフルーツ

グレープフルーツジュースやグレープフルーツの果肉には薬物代謝酵素(CYP3A)の働きを阻害する成分が含まれているため、薬の分解が遅くなり、その分、血中濃度が上昇し、予期せぬ副作用を起こすことがあります。

気をつけなくてはならない薬として、免疫抑制剤、降圧薬(カルシウム拮抗剤)、HIVプロテアーゼ阻害剤、HMG-CoA還元酵素阻害剤などが挙げられます。

ご心配な方は、医師、薬剤師にご確認されることをおすすめいたします。

❸カフェインを含有するお薬+コーヒーやお茶

眠気防止薬とコーヒー、エナジードリンクなどのカフェインを含む飲料を過剰に摂取した場合、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあります。

そして農林水産省は、お酒とカフェイン入り飲料を一緒に飲むことで、「カフェインだけでなくアルコールの取り過ぎにつながる」と注意を呼びかけています。

カフェインを含有する医薬品を服用する場合は、多量のカフェインを一度に摂取することから、カフェインを含有する飲料との併用は避ける必要があります。

医薬品の使用方法などを記載した「添付文書」において、コーヒーやお茶などのカフェインを含有する飲料と同時に服用しないよう注意喚起がなされていますので、添付文書をよくお読みになり、用法・用量を守って服用してください。

今回は、身近にある食べ物また、飲み物について、注意すべき点をお伝えさせていただきました。

昨今の機能性表示食品の問題から、いろんな不安を感じられているお客様が増えてきているように思われます。 購入する前に、必ず不安なことを解消してから、ご自身の治療目的にあったお薬の使用をおすすめいたします。

弊社では、お客様のご質問にお答えできる体制を整えておりますので、ご相談ください。

(参考) 厚生労働省,日本薬剤師会.知っておきたい薬の知識 令和2年10月. 農林水産省.カフェインの過剰摂取について.2022-09, https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html